White*Love 雪の降る夜に私とセツヤは浜辺まで戻ってくると、座り込んでいた。・・・二人並んで・・・。 私たち二人の間で、沈黙が流れていた。 ただただ波の音だけが耳に残っていた。 「本当の事って、何・・・?」 私はセツヤに問い掛けた。 セツヤは、うつむいている。 私は内心、セツヤが何を言い出すのだろう、と怖くてたまらなかった。 「実はさ・・・」 私はセツヤの横顔をみていた。 「俺、怖かったんだ・・・それから・・・アイを悲しませたくなかった・・・」 「どういう意味なの?」 私はセツヤの発言の意味が分からなかった。 セツヤは私の顔をはっきりと見ながら言葉をつづけた。 「俺・・・死んでしまうかも・・・しれないんだよ・・・」 「・・・え?・・・なんで・・・?」 私は驚きを隠せずにいた。 「俺・・・病気だから・・・」 セツヤは、うつむいた。 私は衝撃的な発言を聞いて、言葉をなくしていた。 「・・・うそ?」 「うそなんかじゃない・・・事実なんだ・・・」 セツヤの目には、少し涙がうかんでいた。 私はどんなに言葉を捜しても、みつからなかった。 こんなにも私は無力だった・・・。 小説ホームへ ジャンル別一覧
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